「ご馳走様でした」
私は朝ごはんを食べ終わると、食器を流し台へと置く
そして、左側の椅子に置いていた、スクールバッグを肩に提げると玄関へと向かう
後ろからお母さんも私をお見送りに来てくれた
「お母さん、行ってきます」
真新しいローファーを履いて、私はドアノブをひねる
「麗奈、もう無理して勉強しなくてもいいのよ。麗奈のできる範囲でいいからね」
私は"あの日"以来、まともに学校に通うことは、出来なくなってしまったけれど、
お母さんのこの言葉に幾度となく、助けられてきた
「ありがとう、お母さん…それじゃあ、行ってきます」
私はお母さんに、微笑むと、お母さんもニコッと微笑んでくれた
私は元気よく、新しい学校へ足を進める



