そして、あっという間に迎えた放課後

玄関で外靴に履き替えてると実玖ちゃんから声をかけられた

「ねえ、麗奈ちゃんだよね?」

「あれ?佐藤さん」

私が苗字で呼ぶと実玖ちゃんは、一瞬キョトンとしたけどすぐに笑顔になった

「もうー。佐藤さんは堅苦しいよ〜。実玖でいいってば〜」

「あ、ごめんね?仲のいい子以外名前で呼んだことがなくて」

「そっか〜、あ、それでね?莉久見なかった?」

相河くんか、そういえばみないな

「ごめんね?見てないや」

「そっか〜、すぐ居なくなるんだよねー。一緒に帰る約束だったのにー。ごめんね、もう少し探してみるよ、ありがとうね」

そう言うと、実玖ちゃんは踵を返して、笑顔で消えていった