俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

せっかくみかんパフェを食べに来たんだから、アンケートをしっかり書かなくちゃと気を取り直しパフェと向き合う。

「うちのみかんが、こんな東京の一等地にあるお店で使ってもらえるなんて、考え深いよね。」
里穂がそう言う。

「本当だね。賞まで取っちゃうとは思わなかったし。ちょっと写真撮ってブログに載せようかな。」
スマホを出してパフェを撮る。

見た目も鮮やかで美味しそう。

商品開発部が試行錯誤して2ヶ月かけたと言っていた。翔さんが毎日試食して食べ過ぎて、何が良くて何が悪いか分からなくなってきたと、電話で話していたその努力がやっと実ったのだ。

一口食べてみる。
みかんシャーベットと生クリームの甘さが程良くまとまっていて美味しい。

「里穂も食べてみて。」
スプーンを渡して試食してみてもらう。

「うわ、今年のうちのみかん甘いね。
生クリーム甘すぎなくて程良くみかんに合ってる。」

「今年は土から見直して、肥料を変えたりいろいろお父さんもお金かけて頑張ってたの。」

「へぇ。じゃあきっと東京のcafeで使いたいなんてオファーが来たら、嬉しかったよね。」

「お父さんはね。お兄ちゃんが警戒してて、なかなかオッケー出さないんだよね。」

「お兄ちゃん本当、心配症だよねー。」
パフェを食べ終えて、
アンケートに二人で記入しながら、パフェがより良くなる様にといろいろ考える。

久しぶりに会う姉妹の話しは尽きなくて気付けば1時間を過ぎて、2時過ぎまでお店に居座ってしまっていた。