俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

タイミング良く店員さんがお皿を片付けて、パフェとスコーンを持って来てくれる。

「こちら差し入れです。お代は社長から頂いておりますので。」
テイクアウト用の箱を二つ渡してくれる。

「えっ!お会計も⁉︎差し入れも⁉︎ありがとうございます。」
里穂は素直に喜んでいる。

「わざわざすいません。ありがとうございます。」
果穂も只々恐縮して、頭を下げる。

「ごゆっくりお召し上がり下さい。後、こちらみかんパフェのアンケートになっておりまして、是非、ご意見をよろしくお願いします。」
店員さんはにこやかに去っていく。

「もしかして、付き合ってるの?」
里穂が何かを勘づいて小声で聞いてくる。
誤魔化すことも出来なくてこくんと小さく頷く。

「えっ!お兄ちゃんはこの事知ってるの?」

「付き合う事になったのは、昨日今日の話なの。」
「マジで!」
里穂が大きい声で言うから慌ててシーーっと言って落ち着かせる。

「だからあんまり聞かないで、私もまだ実感が湧かないって言うか…。」

「だって、あの社長だよ⁉︎
絶対モテるし、選り取り見取りなのに何でお姉ちゃん⁉︎しかも遠距離だしあのシスコンの兄付きだよ?何で⁉︎」

「私の方が知りたいよ…。」

「お兄ちゃんと社長は会った事あるの?」

「一回だけ、後さっき電話した時に変わって欲しいって…お兄ちゃんと話してたよ。お兄ちゃんは相変わらずケンカ腰だったけど…。」