俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

「ごめんね。里穂!待たせた?」
入口に回ると既に里穂が来ていて慌てて声をかける。

「ううん、今来たとこ。彼氏さんが見れると思って待ってたのに。何処から来たの?」

「えっ?へへっ。ちょっと裏から早く入ろ。」
誤魔化しながら、お店の中に2人で入る。

「お姉ちゃんの荷物持って来たよ。
スカイツリー行って来たの?人多くなかった?」
席に着いてすぐに聞かれる。

「結構いたよ。これ、里穂にお土産。泊まらせてもらったお礼に。」

「わーい!何なに?」

「里穂は物より甘い物がいいと思って、バームクーヘン。」

「やったね、ありがとう。
また朝、お兄ちゃんから電話来たよー。」

「あっ…ちゃんと掛け直したよ。」

「何であんなにお姉ちゃんには過保護なの?」

「私がぼーっとしてるから心配なんだと思うよ。
それより何食べる?レジに並ばないと。」
そう言って話を逸らす。

「私が買って来るからお姉ちゃんはここで待ってて。」
そう言って里穂が立ちあがろうとすると、

「いらっしゃいませ。ご注文お伺いします。」
店員さんがメニューを持ってやって来た。

「えっ?ここってそう言うサービスありましたっけ?」
里穂が驚いて店員さんに聞く。

「いえ、社長の指示です。お知り合いなんですよね?」

「えっ?社長⁉︎」
里穂が驚いてこっちを見て来るから、周りをキョロキョロしながら翔さんを探すがいない。

「えっと、ちょっとした知り合いです…。」

「そうなの⁉︎」
里穂が思いの外びっくりしてこっちを見るから、慌てて注文をお願いする。

「私、サーモンとアボカドのサンドイッチと紅茶のセットで、食後にみかんパフェをお願いします。里穂はどうする?」

「えっーと、じゃあBLTサンドとカフェラテ
後、プレーンスコーンお願いします。」

「かしこまりました。」
店員さんは頭を下げて去って行く。