俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

「嫌か?」
至近距離で見つめられ、翔に問われる。
果穂は慌てて首を横に振る。

「じゃあ。目閉じて。」
言われるままに目をぎゅっと閉じる。
瞳に唇が落とされ、ビクッと果穂は体を揺らす。
そして啄む様に何度も、角度を変えてそっと唇が重なる。

果穂は真っ赤になって固まるしかなった。

そんな果穂の様子を慎重に伺いながら、優しく抱きしめ頭を撫でて、落ち着かせてくれる。

「果穂のペースに合わせるつもりだけど、好き過ぎて暴走するのは許して欲しい。」

「…お、お手柔らかにお願いします……。」

「これでもかなり抑えてる方なんだけど。」
笑いながら、果穂の顔を覗き込み翔がそう言う。
「その顔、誰にも見せたく無いな。
もうしばらくこうしていようか。」
そう言って、抱き寄せて優しく背中を撫でてくれる。
そんな行為さえ、果穂は心臓が口から出そうなほどドキドキと緊張してしまい、こくんと頷くしかなかった。