そして今日、
果穂を始めて父親に紹介する為に7年ぶりに実家に帰る。
一緒に生活していた事はほぼ無い為、実家と言うよりはまるで他人の家の様に思うのだが。

果穂は前日から手土産や服装の事で、頭が一杯の様でソワソワしている。

「翔さん、やっぱりこのスカート少し短過ぎる気がします。
こっちのワンピースに変えようかなぁ。
どっちが良いと思う?」

今日2度目の問いかけで、俺は思わず笑顔が溢れてしまう。

「どっちも果穂に似合ってる。
気になるなら両方持って行ってお色直しすれば?」
結構本気でそう答えたのに、

「ちゃんと真剣に考えて。」
と、叱られる。
くすくす笑いながら、

「真剣に言ってる。」
と、抗議するがムッと可愛らしく怒る顔を向けて、またクローゼットに戻って行ってしまう。

「果穂、時間に遅れた方がヤバいと思うぞ。」
部屋の前で待つ事にする。

「翔さん、ちょっとファスナー上げるの手伝って、髪が絡まってしまって…。」
可愛いお願いをされて笑いながら部屋へ入る。

後ろを向いて、ハーフアップした髪を前に寄せながら綺麗なうなじと背中を向けてくる。

「俺に、襲って欲しいのか?」

逆に脱がせてしまいたい衝動を抑えながら、ゆっくりとファスナーを上げていく。
だから、綺麗なうなじにキスを落としたのは許して欲しい。

「翔さん、時間なくなっちゃいますから。」

もう少し果穂を味わいたいのに引き離されて、果穂はパタパタ玄関に行ってしまう。

近頃は、どうしようもなく果穂に振り回されてしまうが、そんな自分も嫌じゃ無いと思い笑顔になる。