「もしもし、雅也か?…果穂が居なくなった…明日からちょっと仕事どころじゃ無い。
全力で果穂を探す。」

『どう言う事?ケンカでもしたのか⁉︎』

「いや、連れ去られた…。」

今までの一部始終を話す。
親父の秘書が怪しいと言う事、立花不動産が関係しているのではと言う事全てを話す。

「その疑惑の立花不動産の御令嬢、立花璃子だよな…。さっき見かけたぞ…。」

「はっ⁉︎それは何処だ?」

『婚約者とホテルのレストランでディナーを食べたんだけど、そこのエントランスに居た。あの女、夜の街じゃちょっとした有名人で、かなり金ばら撒いてホスト囲ってるって話だ。だから今夜もそう言う事かって…』

「そこ、何処のホテルだ?今から行く。」

『ちょっと待て!!
俺が動く。お前は会社を背負う社長だ。
顔もそこそこ知れ渡ってるし、下手に動いて変な噂が立ったら大変だ。待ってろ俺が接触してみる。』

雅也がそう言うから、少し頭が冷静になる。

「分かった。
今からそっちに向かうが俺からは動かない。お前に任せるが…
親父の秘書知ってるか?顔写真を送るからそいつもいるか調べてくれ。」

『分かった。とりあえずお前は早まるなよ。
動く時は俺も一緒だ。
ホテルの部屋を確保しとく俺の婚約者の美咲覚えてるよな?
部屋に待たせておくからとりあえず合流してくれ。』

「恩にきる。  
今から弁護士にも連絡してそのホテルに行く様にするから。」
まさかの果穂との糸口が繋がった。
要は急げだ。

果穂がそこに居てくれる事を願い、
早速、親父に秘書の顔写真を頼み雅也に転送し、ホテルへ行く為車を走らせる。

果穂……無事で居てくれ。