俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

そっと振り返ると、肘枕をして横になった翔さんの満遍な笑顔あって、恥ずかしくて目線が泳ぐ。

頬をさらりと撫でられて、ビクッとしてしまう。

「何もしない。怖がらないで…。」
翔さんが寂しそうに言うから、ぶんぶんと顔を振って慌てて答える。

「あの、怖いんじゃ無くて…ただ、恥ずかしいだけです…。」

「良かった…。今日はとことん甘やかすから、許して。」
安堵の笑顔と共にそう言われてそっと目線を合わせる。

「あれ?今日はまだお仕事ですよね⁉︎
時間大丈夫ですか⁉︎」
慌てて枕元の時計を見る。

「今日は有休使って休みにした。挨拶周りくらいしか無いから大丈夫だ。果穂を1人にしてほっとけないし…。」
そう言いながら優しく髪を梳かす。

「えっ…大丈夫なんですか?」

「夕方、ちょっと顔出して来るから大丈夫。仕事はほぼ片付けたし支障は無い。」
玄関からチャイムが鳴って、翔さんは
「朝食が届いた。」

と、立ち上がり部屋を出て行ってしまう。