果穂を気遣いながら、翔は横に転がり息を整える。

「果穂、無理させてごめん。…大丈夫か?」
抑えるつもりが夢中になって我を忘れて抱いてしまった。

初めての果穂には辛かったかも知れない。と、翔は酷く自分を責める。

果穂の頬に流れる涙を親指で拭う。

愛を深めるつもりが、誤って後退させてしまったのでは無いか……不安になる。

翔は果穂に対しては何処までも臆病になってしまう。

「大丈夫です。凄く感無量で…。」
翔はホッとして、肩肘をついて果穂の顔をそっと伺う。

「翔さんは……?大丈夫ですか?」
果穂は翔の事ばかり心配してしまう。

「俺は気持ち良いだけだから気にしなくていい。」
優しく笑いながら果穂の頬を撫でる。