お昼の後、翔さんは私にニット帽と手袋、
マフラーまで一色買ってくれた。

翔さんが言うには自分があげた物で果穂が包まれているのを見ると嬉しいし、
それだけで幸せな気持ちになるから、気にせず貢がれて欲しいと。

私はそんな翔さんに、出来る限りの愛情で返していこうと心に思う。

子供の頃、愛情に乏しい家庭で育った彼だから、これからの未来で沢山の幸せな時間を過ごし、少しでも幸せな気持ちになってくれたらと思う。

今夜は組合の集まりだから、夕食は要らないと父から連絡があり、兄も彼女とデートだと言うので、夕食も翔さんと一緒に食べ映画を観て家まで送ってもらう。

今日一日だけでお互いの事をいろいろ知る事が出来た。

帰り際、翔さんと離れるのが寂しくて辛くなる。
家に帰る道のりで、そう言えば私に話していない話があると言っていたのを思い出す。

今日一日一緒にいたけれど、嫌な所も欠点も何一つ見つからず完璧な人だと改めて思った。