半年後、ボーデン家のパーティーホールはいつものパーティー以上に不気味な空気が漂っていた。

漆黒のタキシードやドレスに身を包んだ人々は逆十字のネックレスを身に付け、パーティーホールの中央を恍惚とした表情で見つめている。

中央には、天井から吊るされた鎖によって拘束され目隠しをされた双子の男女がいた。まだ歳は五歳ほどだろう。幼いながらにこれから起こることを察し、体を震わせている。そして、双子の後ろには巨大な剣を手にした執行人が立っていた。

「皆の者！サタン様の花嫁は裏切ってしまったが、慈悲深いサタン様はもう一度チャンスをくれた！それが、この双子を捧げることだ！この双子を捧げれば私たちはさらに繁栄する！」

ナターリアが一族の前に進み出て言うと、あちこちから歓声が上がる。子どもたちは耐え切れず泣き始めたが、無慈悲にもナターリアは「始めよう」と合図をした。

執行人がゆっくりと二人に近付き、剣を大きく振り上げた。その時だった。