カバーをかけてお会計を済ませたら 梅森くんが「椿さん」と声をかけてくる。 「ん?」 「……や、 なんでもない」 「カバーありがと」と言って、梅森くんはお店を出て行く。 ……さっき、「なんでもない」って言った時、 嬉しいのか悲しいのか、泣きそうな顔で笑った気がした。 ……梅森くん…なんか変。 いや、変なのは前からなんだろうけど… なぜ私に優しい…? いや、これくらいは他の女子にもやるのかも。 オトすテク? 自分は好きになることないくせにね。 小悪魔か。