少し明るめの茶髪をオールバックに吊り目の男性が言う。彼は奥田新（おくだあらた）。しっかり者で博識、テストでは毎回一番の常連だ。

「昼間の真っ青な海も素敵だけど、夜もいいよね〜。ほら、星もすごく綺麗だよ！あれ、何座かな？」

緩くウェーブしたセミロングにパッチリとした二重の可愛らしい女性が言う。彼女は小柳真奈（こやなぎまな）。アニメと漫画、そしてゲームが大好きで流行っているアニメなどに一番詳しい。

「星座はわからないけど、星すごく綺麗だね！もちろん海も！今日ここに来れてよかった〜！」

ボブヘアにメガネをかけた顔にそばかすのある女性が言う。彼女は浅井香穂（あさいかほ）。真面目で人の痛みに敏感な優しい人だ。

三人が話す夜の海と星の美しさに、旬も見惚れていた。明日になれば、もうこの景色を四人で見ることはできなくなる。だからこそ、この目に焼け付けようと旬は三人の楽しそうな横顔とこの景色の美しさをただジッと見つめた。