三人の顔がハッとしたような顔になる。三人の表情を見て、旬は初めて自分が泣いていることに気付いた。

「ごめん!」

乱暴に涙を拭っても、涙は止まってはくれない。台風の時に降る大雨のように、旬の顔を濡らしていく。

「……ックソ!涙、何で止まんないんだよ!」

苛立ってしまう旬の手を、香穂がそっと握り締めた。もう片方の手は真奈が握り、肩には新の手が乗せられる。

「無理して笑わないでよ。みんな、悲しいんだから」

香穂がそう泣きながら言う。真奈も、新も、涙を流していた。それを見ながら、旬の口がゆっくりと開く。泣いているため、声は震えてしまっているかもしれない。だが、今伝えたいと思ったのだ。

「……お、俺ど!どっ、友達に……なっでくれで……ありがどう!!」

「「「こちらこそ、ありがとう!!」」」

四人の泣き声が海に響いた。