ただ無理やり起こされて今日も少し不機嫌なくらいだ。


「早く支度しろよ」


聖也は冷たい声でそう言って部屋を出ていった。


だけど私が支度を終えて出るまで決して学校へは行かない。


自分が遅刻しそうになってもずっと待っていてくれるのだ。


きっと、ほっておくと私がまた二度寝してしまうからだろう。


外で待っているという無言の圧力により私はしぶしぶベッドから起き出して着替えをすることができるのだ。


「お前な、もう少し早く起きれないのかよ」


毎日の説教もおなじみの光景になってしまった。


「だって、ゲームが面白いんだもん」


高校に入学してから買ってもらったスマホで毎晩遊んでいると、気がつくと夜中になっている。


ようやく色々な制限から抜け出して思う存分ゲームができるようになって、開放感でみたされていた。


「そんな使い方してるとまたキッズスマホに逆戻りだぞ」


そんなことを言われてギョッとした。



中学時代まで使用していたキッズスマホは両親に使用時間を決められていたし、ワイハイがない場所ではゲームもできなかった。