それが女の子だったら?


それを母親が目撃してしまったら?


様々な否や予感がよぎっていく。


帰宅した母親は嬉しそうに『徹くんの彼女が来ていたわよ』と、私に報告してくるに決まっている。


それを聞いた瞬間私の初恋は終わってしまうんだ。


直接告白したわけでもなく、振られたわけでもなく、ただ終わる。


自分の初めての恋をそんなふうに終わらせるのは嫌だった。


「……やっぱり私が行く」


中途半端に終わらせたくないのなら、自分で行くしかなかった。


そこで見たくないものを見てしまったとしても、自分の目でみたことならきっと受け入れることができる。


私は勇気を出して、第一歩を踏み出したのだった。