それは学校になれ始めて更に数日が経過したときだった。


途中まで佑美と一緒に帰るためにふたりで肩を並べて歩いていた。


「そっか、美咲はアイドルのケンくんが好きなんだね。わかるなぁ」


「佑美は好きな芸能人とかいるの?」


「そうだなぁ、私は俳優の……」


佑美が答えようと思ったその時だった。


「好きです! 付き合ってください!」


そんな声が校舎裏の方から聞こえてきて、私達は同時に足を止めていた。


今の声って、告白の声だよね?


そう理解すると心臓がドクドクと高鳴ってくる。


誰が誰に告白したんだろう?


今のは女子の声だったみたいだけれど。


佑美も私と同じように好奇心を抱いたように、チラリとこちらへ視線を向けると校舎裏へと足を進め始めた。


私は佑美の後ろを慌ててついて行く。