「聖也、一緒に帰ろ~」


すべての授業が終わって帰宅準備を終えた私は学生カバンを持って聖也の席へ近づいた。


「あぁ」


聖也は短く頷いて立ち上がる。


こうして見ると本当に背が高くなった。


髪の毛も少し伸びてきて、サラサラしていて触れたくなるようだ。


顔はもともと整っているし、これでモテない方がおかしい。


「なに?」


つい聖也の顔をマジマジと観察してしまい、けげんな表情をされてしまった。


「いや、なんでもない。ただなんとなく、背が高いからバスケでもしたらどうかなぁと思っただけ」


慌ててわけのわからないことを言ってしまった。


聖也は高校ではどの部活にも所属せず、アルバイトを探すと言っていた。


共働きの両親の助けになりたいと言っていたのだ。