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翌日裕之から連絡があったのは朝7時を回ったところだった。


ようやく起き出して顔を洗ったところだった私は裕之からの電話に飛びついた。


『和がいないんだ! そっちに行ってないか!?』


電話に出た瞬間飛び込んできた裕之の怒号にスマホを耳から遠ざける。


「どうしたの?」


『今起きたら和がいないんだよ!』


相当慌てているようで、息が切れている。


今も家中を探し回っているのか扉を乱暴に開けたり閉めたりする音が聞こえてきた。


「わかった。こっちには来てないけど、すぐに一緒に探すから!」


一瞬にして目が覚めた。


全身に冷水を浴びせられたような不快感を覚えながら、私は家を飛び出したのだった。