和のもとに再び同じメールが送られてきたのは放課後になってからだった。


和のスマホを取り囲むように立ち、私達は絶望的な気分になっていた。


やっぱりまた届いた。


呪いのメールはただ削除するだけではなんの意味もないんだ。


「くそっ」


裕之が拳を握りしめる。


和がメールに返信しようと必死に操作しているけれど、メールは何度でもエラーになって戻ってくる。


「なんで送れねぇんだよ!」


悪態ついているけれど、その顔はずっと青ざめたままだ。


「大丈夫だ和。今日は1日一緒にいよう。そうすれば俺が和を止めることができる」


裕之の提案に和が顔をあげた。


「和が変なことをしようとしたら、絶対に止める。いくら呪いだって、実態のないものなんだ。生きた人間の行動を制御するなんて、できっこない」


裕之の言葉に和は小さく頷いたのだった。