《自分の死体の写真が送られてくると24時間以内に死ぬ。


これは少し前から○○街で流行り始めた都市伝説で、不幸の手紙によく似たものである。


不幸の手紙というのは1970年代に流行した手紙で、当時の新聞記事にもなっている。


名前の通りその手紙を受け取った人間は不幸になるのだが、3日以内に10人に同じ手紙を投函すれば回避できるとされている。》


そこで記事が切れている。


死体写真のメールから不幸の手紙に話題が移り、そして唐突に終わっている。


何度か読み直してみても最初の死体写真に話題が戻っていないところが不自然だった。


「この後、死体写真にも回避方法があって……って続いている方が自然じゃない?」


加菜子に指摘されて確かにそのとおりだと頷く。


だけどその部分だけごっそりと削り取られていて、死体写真の回避方法には一切触れられていない。


「誰かが呪いを回避できないようにしてる?」


自分で呟いた言葉に全身が寒くなる。


誰かがこの呪いを回避することを拒んでいる。


この呪いを全国に広めることを望む人がいる……。