途端にその場に跳ね上がる。


冷たい手は死神に撫でられたような感触がしたが、振り向いてみるとそこには裕之が立っていた。


「裕之……」


ホッと胸をなでおろすと、裕之が怪訝そうな表情をしてきた。


「なんだよそんなにビックリして」


そう言って和と加菜子へも視線を向ける。


ふたりとも青ざめて黙り込んでしまっている。


「ごめんね、なんでもない」


そう返事をするだけで精一杯だった。


ついに和にも呪いのメールが来てしまった。


これから先自分たちはどうするべきだろうかと、頭がいっぱいだ。


「なんかお前たち様子がおかしいぞ?」


そう言って裕之は和のスマホを覗き込んだ。


止めようと思ったが、一瞬遅くて裕之の表情が曇る。


「俺にも来たんだ。呪いのメールが」


「なんだよこれ。こんなイタズラ誰がしたんだよ!」


裕之が声を荒げるが、誰も返事をしなかった。


こんなイタズラ、誰もしていないからだ。


「裕之、これはやっぱり呪いのメールなの。私達、隣町でのことを調べてて、メールが届いてから死んだ子をふたりも見つけて――」