☆☆☆

翌日目を覚ましてもメールの存在が頭から離れることはなかった。


朝夕が随分と涼しくなってきているけれど、つい上着を忘れて外へ出てしまうところだった。


「昨日はメールについて調べてみたんだけど、結局なにもわからないままだったよ」


あくびを噛み殺してそう伝えると加菜子も同じように頷いた。


「私も調べてみた。でも、出てこないよね」


これだけ調べてなにも出ないということは、調べ方が悪いのかもしれない。


あるいは、本当に危険なこととして誰かが消していってるという線もある。


それに、私達が調べ物をするときにはたいていスマホで検索するか、SNSアプリを使うかのどちらかなので、結果が同じものになることはしばしばだった。


「どうする? 今日の放課後またっ隣町に言ってみる?」


加菜子からの誘いに「どうしようか」と悩んで眉間にシワを寄せる。


新しい情報提供者がいればいいけれど、見つけることができなければ無駄足になる。


学生の身の私達が毎日隣町に行くのは金銭的にもきつい。


悩んでいると後ろから裕之が声をかけてきた。


振り返るとそこには不機嫌そうな顔がある。


「どうしたの裕之」


なにかしただろうかと不安に感じたとき、わざとらしくため息を吐き出された。


「どうして昨日学校に戻って来なかったんだよ」


そう言われて私と加菜子は目を身交わせた。