そこまで言って難しい表情で窓の外へ視線を向ける。


ファミレスの窓からはよく手入れされた花壇がみえて、色とりどりの花々が風にゆれて遊んでいる。


平穏な午後の様子と、今の自分達の心境に差異がありすぎてふくざつな気持ちになった。


「問題は誰が送ってきてるのかだよね。犯人はスマホをハッキングして、新しいターゲットを探していると思うの」


加菜子が言っているのは、犯人が生きた人間である場合の話だ。


もしかしたら、実態のないものが犯人かもしれない。


そうなった場合、こうして調べることに意味があるのか、捕まえることができるのかという疑念が湧いてくる。


私はそういった疑念を振り払うように左右に首を振った。


今日1日で色々と考えすぎたようで、少し頭に熱がこもっている。


冷たいジュースを一口飲んでどうにか熱を冷ますと、スマホの時計に視線を落とした。


時刻は4時が近づいて来ている。


自分たちの学校では4時15分に終礼が行われて、放課後になるが、○○高校はどうだろうか。


次に動きがあったのは和が3倍目のジュースを飲み干したところだった。


時刻は4時を過ぎていて、窓の外には学生たちの姿がチラホラみえ始めたところだった。


「終わったみたいだな」


和が呟いて立ち上がる。