死体写真

なにがおかしいのかわからなくて首をかしげて聞き返す。


「だって、隣町の友人にもメールが届いていたとしたら、その子だって、きっともう……」


そこまで言って言葉を切った。


死んでる。


ということだろう。


「そうだね、きっともういなくなってる。葬儀に来てた子はアコの友人でも、メールを受け取ってない可能性があるね」


ということは、メールは近い人間ばかりじゃなく隣町に暮らす人間にも届くということ。


メールが送られてくる条件として、距離は関係ないのかもしれない。


「例えば、先に死んだ子のアドレスの中にアコの番号が登録されていて、メールが登録者の中からランダムに選ばれて送信されているとか」


「それならあるかも」


加菜子が頷く。


メール自体にウイルスが仕込まれていて、届いた人のスマホを勝手に操作する。


ウイルスに感染したスマホは次のターゲットを勝手に決めて死体写真つきのメールを送りつける。


これが成り立っているとすれば、全国で不審な自殺が発見されているかもしれない。


そして感染はねずみ講式にどんどん増えていることになる。


だけど、今の所全国ニュースでもそのようなことは伝えられていなかった。


まだ、私達の間だけでとどまることができているのかもしれない。


「アコのスマホを確認することができれば、アコの友人関係を調べることができるけど、ついさっき葬儀が終わったばかりで、聞きに行くなんてできないよね」


アコのご両親はまだ火葬場にいるかもれないし、さすがに不謹慎だ。


調べさせてもらうにしてももう少し日を置いた方がよさそうだった。


「ねぇ、和に聞くのはどう?」