死体写真

加菜子が指先した記事へ視線を向ける。


《○○高校では臨時休校となり……》


「臨時休校ってことは、この○○高校で自殺者が相次いでるってことかな?」


「たぶん、そうなんじゃないかな?」


加菜子はせわしなく視線を泳がせている。


同じ学校で10人もの自殺者が出ていれば臨時休校になっても不思議ではない。


「この10人全員があのメールを受け取っていたとしたら、メールは親しい人たちにどんどん送りつけられていくってことにならない?」


いいながら背筋が寒くなった。


1度メールを受けた人間がいたとして、その周りの子たちにも同じメールが届くようになる。


つまり、アコに届いたということは、私や加菜子にも……。


その可能性に気がついて顔を見合わせる。


加菜子の唇がかすかに震えていた。


「もしかしてアコは隣町に友達がいたのかも。その友達がメールを受け取って、それでアコにもメールが届いた」


そう考えるとメールがどんどんつながっていく様子が浮かんでくるようだった。


チェーンのように切れ間なく、次のターゲットを狙っている。


「さっき、見たことのない制服姿の子が葬儀に参列してたって言ってたよね?」


加菜子に聞かれて私は頷いた。


あの子が隣街の子であった可能性は高い。


アコはやっぱり隣街に友人がいたんだ。


「でも、それだとちょっとおかしいよね」


「え? なにが?」