死体写真

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ネットで調べても出てこないのなら、図書館だ。


幸い加菜子の家から市立図書館までは距離が近く、歩いてでも行ける場所にあった。


平日の昼間ということで図書室の中に人はまばらで、時々幼い子どもを連れの親たちが子供に読み聞かせるための絵本を選んでいるくらいなものだった。


制服姿のままやってきた私達はまぐカウンターへ向かった。


生徒手帳を出して授業で調べ物をしに来たのだと、年配の図書館司書に説明する。


「新聞を読ませてほしいんですけど」


「それなら窓際に置いてあるわよ」


司書に案内された先には大きな窓があり、薄いカーテンが揺れている。


その手前に長机が並べられていて、新聞は長机が途切れた一角に置かれていた。


私と加菜子は司書に丁寧にお礼を言って新聞を手にとった。


ここには全国版の新聞と地方新聞とが並べられていて、隣町で最も読まれているものも置かれているのだ。


「葬儀にちょっと不思議な子がいたよ」


隣町の新聞を広げて活字を追いながら私は言った。


「不思議な子?」


「うん。見たこと無い制服きてたから、きっとこの辺の子じゃないんだと思う」


同じ市内であれば、制服だけでどこの高校の子かすぐにわかるはずだった。


「それに、メールがどうとか呟いてたきがするんだよね」


その声はとても小さなかったし、少女はすぐにいなくなってしまったから真相はわからない。