死体写真

フェンスを登るときにも顔だけは加菜子の方へ剥いていたという。


そんなこと、通常ではありえない。


「裕之は悩みがあったんだろうって言うんだけど、そう思う?」


加菜子は左右に首を振った。


誰がどう見たって、アコに自殺するほどの悩みがあったようにはみえない。


もしかしたら他人からすれば本当に些細なことを気にしていたのかもしれいけれど、そんな相談を受けたことも1度もなかった。


アコの親族だって、まるでなにがなんだかわからないといった様子で混乱の中葬儀を出していたようだった。


「あの写真が無関係だとは思えないよ……」


私もそれには同意見だった。


裕之が言っていたことを思い出して書き出してみると、メールを受け取った24時間以内に死ぬということだった。


アコが最初にメールを受け取ったのが何時頃かわからないけれど、昨日学校へ来たときにはすでに届いていた様子だった。


アコはきっかり24時間くらいで自殺した可能性がある。


「隣町ではやってるって本当なのかな?」


「わからない。でも、ネットで調べてみればなにか出てくるかも」


噂や都市伝説はすぐにネットで拡散される。