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アコの葬儀が終わったあと私は加菜子の家にきていた。
6畳ほどの広さがあるフローリングに丸テーブルとベッド、本棚が並べられていてベッドの上にはピンク色のぬいぐるみがギュウギュウ詰めになるほど置かれている。
愛くるしいぬいぐるみの表情も、今はどこか哀愁が漂っているようにみえた。
「アコは本当にただの自殺だと思う?」
麦茶を一口飲み、十分に時間を開けてから私は言った。
加菜子は一瞬ビクリと体を震わせ、恐る恐るといった様子で私を見た。
「正直、そうは思わないんだよね」
実際にその目で自殺する瞬間を加菜子は見ていた。
その説明によれば、アコは目の焦点が合っていなかったという。
声をかけると振り向いたけれど、なにも見ていなかったと。
そして振り向いた状態のままフェンスを登り、なんの躊躇もなく飛び降りた。
今から自殺しようとしている人間の行動とは思えなかった。
自殺直前に友人に声をかけられて、少しも心が揺らがなかいなんてことあるだろうか?
いいや、アコの場合はこころが揺らがない所か、表情がなかったようだ。
自殺者をこの目で見たことがないからハッキリとはわからないけれど、もっと泣いたり、喚いたり、この世への恨みを吐き出すものなんじゃないだろうか?
それがアコは振り向いた状態のままで自殺をしたのだ。
アコの葬儀が終わったあと私は加菜子の家にきていた。
6畳ほどの広さがあるフローリングに丸テーブルとベッド、本棚が並べられていてベッドの上にはピンク色のぬいぐるみがギュウギュウ詰めになるほど置かれている。
愛くるしいぬいぐるみの表情も、今はどこか哀愁が漂っているようにみえた。
「アコは本当にただの自殺だと思う?」
麦茶を一口飲み、十分に時間を開けてから私は言った。
加菜子は一瞬ビクリと体を震わせ、恐る恐るといった様子で私を見た。
「正直、そうは思わないんだよね」
実際にその目で自殺する瞬間を加菜子は見ていた。
その説明によれば、アコは目の焦点が合っていなかったという。
声をかけると振り向いたけれど、なにも見ていなかったと。
そして振り向いた状態のままフェンスを登り、なんの躊躇もなく飛び降りた。
今から自殺しようとしている人間の行動とは思えなかった。
自殺直前に友人に声をかけられて、少しも心が揺らがなかいなんてことあるだろうか?
いいや、アコの場合はこころが揺らがない所か、表情がなかったようだ。
自殺者をこの目で見たことがないからハッキリとはわからないけれど、もっと泣いたり、喚いたり、この世への恨みを吐き出すものなんじゃないだろうか?
それがアコは振り向いた状態のままで自殺をしたのだ。



