「もしもあのふたりが付き合いだしたらどうする?」


その質問に頭の中で和とアコがふたり並んで歩いている姿を想像する。


「なんだかうるさいカップルになりそうだね」


想像したままを素直に口に出すと、笑われてしまった。


ふたりとも口数が少ないタイプではないので、終始おしゃべりしていそうだ。


でも、それはそれでお似合いな気がする。


「あのふたりが付き合うようになったら、ダブルデートができるな」


「そうだね。それは楽しそう」


友人カップルと一緒にデートするのは憧れのシチュエーションだ。


きっと楽しくなるに違いない。


それがアコと和のカップルなら、なおさらだ。


「でもさ、あのふたりが付き合ったら展開早そうだよな」


いいながら手を繋がれて、私は自然とその手を握り返していた。


「そうかな? ふたりとも恋愛に関しては奥手だと思うけど」


「だからだよ。両思いになったらあっという間だったりして」


どうして急にそんな話しになるんだろう?


そう思って裕之の顔を見上げると、すぐに視線をそらされてしまった。