そう言って頭をかく。


「誰だってあんなメールをもらったらパニックにもなるよ!」


加菜子はまだ頬を膨らませて怒っている。


なにがなんでも犯人を見つけてとっちめてやると言わんばかりの迫力だ。


「もう大丈夫そうなの?」


「うん。落ち着いた。思ってみればあんなの人形でもなんでも作ることができるもんね」


アコは自分に言い聞かせるように言って自分で頷いている。


そうやって自分を納得させたみたいだ。


「そうだよ。昔の不幸の手紙がちょっと進化しただけだからね」


不幸の手紙も出始めたときには大人だって怖がって、本気にしてしまった人がいると言う。


そういう人たちが自分たちに不幸が降りかかるのを回避するために、他の不幸の手紙を出す。


それが連鎖して、結局世間を賑わすほどの大騒動に発展してしまったのだ。


今回も似たようなものだろう。


反応せずにいれば何ごともなく消えていくはずだ。


「そうだよね。ありがとう」


アコはホッとしたように微笑んだのだった。