「○○高校での自殺って、結局集団自殺だったらしいね」


教室の片隅でそんなことが噂されていた。


「だと思った! だって、ちょっと自殺者多すぎだもんね」


「なにがあったのか知らないけど、死にたい気持ちが伝染したとかなんとか」


「あるよねそういうの。一番の友達が死にたくなってたら、それに引きずられちゃうかも」


違う。


そうじゃない!


言いたいのに、声がでない。


クラスメートたちの言葉だけが耳に聞こえてきて、自分の体は動かない。


まるでスライムの中に閉じ込められたように、言うことを聞かない。


「でも、それならうちのクラスの子たちだって……」


「あぁ、うん。みんな仲が良かったもんね。もしかしたら、同じなのかも」


アコ、和、加菜子、裕之の顔が浮かんでくる。


みんな死んでしまった。


でも自殺じゃない。


あれは呪いのメールのせいで……!


伝えなきゃいけない。


みんなにも届くかもしれないということを。


ようやく重たい瞼をお仕上げたとき、そこは病室だった。


私は点滴を受けて眠っていたようだ。