裕之がゆるえる指先でメールボックスを開いた。


そこに表示されていたアドレスを見て大きく息を吐き出す。


それはのろいメールと同じアドレスだったのだ。


「いや、開かないで!」


咄嗟に裕之の手を両手で押さえていた。


これ以上メールを見たくない。


もうイオリからの呪いに踊らされたくない。


しかし、私の両手を裕之がそっと払った。


私は力なくそれに従う。


そしてメール画面を開くと……そこには『呪いを回避しました』という文字が入力されていたのだった。