裕之に送られてきた死体写真を思い出して全身から嫌な汗が吹き出した。
今交差点に立ち入ったら、裕之はあの写真のようになってしまう!
裕之は信号を全く見ていないように歩き続ける。
交差点の前で待っている人たちにぶつかり、文句を言われても立ち止まらない。
集団登校している小学生たちが交差点の手前で立ち止まり、裕之の姿が見えなくなった。
「どけて! どけてよ!」
普段はここまで信号待ちをする人はいないはずなのに、今日に限って私の邪魔をするように人垣ができている。
焦りで口の中はカラカラに乾燥し、手のひらには気持ちが悪いほどの汗をにじませている。
それなのに一向に裕之の姿を見つけられない。
「おい、あれ」
知らない男性がポツリと呟いた。
その瞬間人垣に隙間ができて、前に進むことができた。
そして目に飛び込んできたのはフラフラと交差点に入っていく裕之の姿と、すぐそばまで迫ってきている乗用車だった。
「裕之!!」
絶対に聞こえる距離だったのに、裕之は立ち止まらない。
私の声に反応しない。
チクリと胸に針が突き刺さるが、かまっている暇もなかった。
私はキツく目を閉じて両手を前に突き出していた。
今交差点に立ち入ったら、裕之はあの写真のようになってしまう!
裕之は信号を全く見ていないように歩き続ける。
交差点の前で待っている人たちにぶつかり、文句を言われても立ち止まらない。
集団登校している小学生たちが交差点の手前で立ち止まり、裕之の姿が見えなくなった。
「どけて! どけてよ!」
普段はここまで信号待ちをする人はいないはずなのに、今日に限って私の邪魔をするように人垣ができている。
焦りで口の中はカラカラに乾燥し、手のひらには気持ちが悪いほどの汗をにじませている。
それなのに一向に裕之の姿を見つけられない。
「おい、あれ」
知らない男性がポツリと呟いた。
その瞬間人垣に隙間ができて、前に進むことができた。
そして目に飛び込んできたのはフラフラと交差点に入っていく裕之の姿と、すぐそばまで迫ってきている乗用車だった。
「裕之!!」
絶対に聞こえる距離だったのに、裕之は立ち止まらない。
私の声に反応しない。
チクリと胸に針が突き刺さるが、かまっている暇もなかった。
私はキツく目を閉じて両手を前に突き出していた。



