学校にいても死ぬ。


病院にいても死ぬ。


それなら私達はどうすればいいのだろう。


「まさか、そんなことはないと思ってたの。信じてなかった。でも……」


ランがぶつぶつとよくわからない言葉をつなぐ。


それは私達に言っているわけではなく、自分の中でなにかの整理をつけようとしているかのように感じ取れた。


「あなた、イオリと一番の親友だったんでしょう? それなら、なにか知ってるんじゃないの!?」


私もつい力が入ってしまう。


怒鳴ってもどうしようもないと頭では理解しているのに、行動が伴わない。


それほどの恐怖が常に付きとってきている。


「少し前にネットで見たんだ。回避する方法は悪魔じゃないとできないって書いてあった。その意味がわかるか?」


裕之の言葉にランはあからさまな動揺を見せた。


手を振り払い目を泳がせる。


少し呼吸も荒くなった気がした。


そして私達から数歩後ずさりをする。


そのまま逃げられるかと思ったが、ランはそこで足を止めて視線を戻した。


「イオリは死ぬ前に私に連絡してきたの」


思い出すように言葉を絞りだす。


今までのランとは別人のように泣き出してしまいそうな顔をしている。


「そのときに言ってた。呪いのメールのこと。回避方法を私にだけ伝えておくこと……」


だけど、本当にそんなものができるなんて思っていなかった。