とにかくアコが話してくれたのをキッカケに、私と加菜子はふたりへかけよった。


しかし、アコはこちらを見ようともせずに裕之に詰め寄っている。


「噂ってもしかして、メールのことじゃない?」


加菜子に言われてようやく思い出した。


自分の死体写真が送られてくるという、あの噂のことだ。


アコは何度も頷いている。


「なんだ。あんなのを気にしてたのか」


事情がわかった裕之は安心したように笑顔になった。


「あんなのただの噂に決まってるだろ。それもよくある子供だましの噂じゃないか。そんなのを気にしてたのか?」


そう言って笑う裕之につられて私と加菜子も笑った。


「でも、アコがあんな噂に惑わされるなんて珍しいね?」


加菜子がふわりとした声色で言う。


様々な噂を集めることが大好きなアコだけれど、その噂に完全に踊らされるようなことは今まで1度もなかった。


特に、迷惑メール系とか、誰かに迷惑がかかるような噂については絶対に信じないタイプだ。