いつの間に眠ってしまったのか気が付かなかった。


加菜子が寝返りをうったことで目を覚ました私は窓から差し込む朝日に大きくため息を吐き出した。
朝がきた。


隣では加菜子が寝息を立てている。


ベッドのサイドテーブルに置かれた置き時計を確認すると、まだ朝の6時前であることがわかった。


とりあえずくらい夜を抜けることができてまた安堵のため息が漏れる。


まだ24時間は経過していないけれど、夜を越えたことは大きかった。


これから先は和もこちらへ合流してくれる予定だ。


ふたりで加菜子を守るのだ。


隣から聞こえてくる心地よさそうな寝息に私ももう少し眠ろうと目を閉じる。


そしてうとうとしかけたときだった。


階下でガチャッと玄関の鍵を開閉するような音が聞こえてきて意識が覚醒した。


続けて家の中を歩く足音が響く。


目を開けると隣の加菜子も物音に気がついて目を覚ましていた。


「もしかしたらお母さんかも」


病院で夜勤をしている母親が思っていたよりも早く帰ってきた。


そう言って布団を出る加菜子の後に続いた。


母親が帰ってきているのなら、挨拶くらいはしておかないといけない。


加菜子に続いて階段を降りていくと、玄関に今まではなかった女性ものの運動靴が脱がれていた。