「おとーさん? これこむぎねんど?」

「いや、これは白玉粉だ。
うーん、似たようなもんだな。でも茹でたらお餅みたいになるんだ」

「おもち!」

「光、これ丸くできるか? お団子みたいに」

「うん! ひかり、おだんごしょうずなのー!」

ふっ……あの時の愛のセリフと全く同じだな。
我が娘ながら可愛い。

恵の昼寝タイムの間に何とか丸め終わりたい。

意外なことに光は手先が器用で、次から次へと綺麗なお団子を作っていった。

団子を丸めながら鍋に湯を沸かす。
と同時に氷水をボウルにセット。
これで準備万端だ。

丸め終えた白玉を鍋にポロポロと入れていく。

「うわー! グツグツ〜!」

俺は光を抱っこして、鍋を覗かせる。

白玉が浮き上がってくると、網目のお玉で掬って、氷水を張ったボウルに落としていく。

これで白玉の完成だ。

ところが、今の今まで元気いっぱいだった光がウトウトし始めた。

「光? メグと昼寝するか?」

「……んー……しらたま……」

「白玉は晩御飯の後に食べよう。
ほら、メグのとこに行こう」

今にも寝そうな光を抱き上げて、昼寝布団に眠る恵の横に寝かせた。

いつもの昼寝時間をかなり過ぎてしまったからか、グズることなくすぐに寝付いてしまった。