「お願いします…っ、一刻も早くネロリナを…。わたくしの可愛い娘を…っ」 父上に縋り付き、そのまま床に座り込んで泣き出してしまった母上。 メイドたちに支えられ、寝室に運ばれる。 「いいかい、二人とも。なるべく一緒にいて、部屋から出ないようにしなさい。 それから、騎士と魔術師を傍に置くようにするから傍から離れないように」 「わ、わかりました。でも、僕たちの護衛は少なくていいです。その分、ネロの捜索に当ててください」 「早くネロを助けてあげてください」 俺と兄上はそう父上に告げた。