「…ふむ、確かに君の言う通りだな。参考にさせてもらおう」 俺がそう答えると、ビクッと肩を跳ねさせ即座に振り向いた。 「驚かせてしまったか。…確か君は特待生のルージュ嬢、で合ってるかな」 目の前の彼女はとても警戒した顔で、合っていると答える。 王子である俺を警戒したのは彼女が初めてだ。 ーーこの時点で、彼女は他の人とは何もかもが違った。 姿は違っても、あの子の面影を彼女に感じていた。