そんなのを助けてやる必要はないと誰もが思っていたが、

それ以上誰も止めることはなかった。



ネロリナの口から語られた事件の真相は、とても許されるものではなかった。

暴力に髪色や瞳の色を変えさせられ、ずっと家の中で監視され続けていたという。


無意識に爪が食い込むほど両手を握りしめていた。

ネロリナがそんな目に合っているのに、助けてやれなかったことが悔しくて。