本を選び終えた彼女を、限られたものしか知らない温室に誘った。

そこでキースは彼女の家族について触れた。

俺は事前に入学届けで施設で育ったことは知っていたのだが、キースは知らなかったようだ。

彼女は瞬時にテーブルを凍らし、キースに向けて殺気を放った。

キースは相当堪えたのか、しばらくは大人しくしていた。


ーーこの時は知らなかったんだ、どうしてそんなにも家族について触れられるのが嫌なのか。

彼女が学園に来たのは、家族を探していたからだということを。