「やっと本題に入れるわね」

 紅茶とクッキーを準備し、ローテーブルをはさんでアレックスと向かい合わせで座っている。

 彼のカップにポットから紅茶を注ぎ、自分のカップにも注ぐ。

 どちらの側からも取りやすいよう、クッキーのお皿はローテーブルの真ん中に置いた。

 プレーン、チョコチップ入り、スライスしたアーモンド入り。この三種類のクッキーを大量に準備している。

 手作りである。当然、わたしが作ったにきまっている。

 正直、ドキドキしている。

 著書を読まれるということも、かなり緊張感を伴っている。それと同じくらい、クッキーが気に入ってもらえるか不安を抱いている。

 図書館でレシピ本を借りているくらいだから、彼は料理だって出来るはず。

 だからこそ、小説に関して厳しい目を持っていることは当然のことながら、料理やお菓子作りに関してもうるさいはずよね。