浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

「まぁ……」

 アレックス。あなたも最高だわ。

 あいかわらず小説のまんまの行動ね。

 いろんな意味で感心していると、その彼の肩上からモフモフがピョンとジャンプし、わたしの肩の上にそっと着地した。

「キュー」
「ああ、たまらないわ。あなた、最高にキュートだわ」

 可愛すぎて、勝手に口から言葉が出ていた。

「それはどうも」

 アレックスが金髪をかき上げながら答えた。
 美しすぎる顔がほんのり赤くなっている。

 もしかして、アレックス。あなた、勘違いしている?

 いや、そこは空気を読むわよね?あきらかにモフモフに言っていたんだし。

 面と向かって「最高にキュートだわ」って恥ずかしげもなく言えるほど、わたしたちはまだそんなに親しくないと思うけど。