浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

「やめないか、おまえたち。レディ、おれたちは人探しを頼まれてやって来たんだが、荷馬車の車輪が外れたんだ。修理工のいるところを教えてくれないか?」

 ベレー帽の男が言ってきた。

 性的ないやらしさはまだマシだけど、こちらを見下しているのがありありと感じられる。

 どちらにしても気に入らないわね。

 それに、残念な態度とは別にイヤーな感じがする。

「そうですね。ここまで来る途中で、東に行く小道があったでしょう?そちらをたどれば、小さな町が見えてきます。その町をこせば山があるんですが、その麓に「何でも屋」があります。お金次第で、何でもやってくれます」

 嘘ではない。一番近いというだけじゃないだけのこと。