「クミ・オラーノは本名?それともペンネーム?」
「アレックス・オルモスは本名?それともペンネーム?」

 なんてこと。またまたかぶったわ。

 わたしたち、どれだけタイミングが合えばいいの?

「ほら、やっぱり」
「ほら、やはり」

 そして、アニバルとカルラもタイミングがバッチリになってきた。

「本名だよ」
「本名よ」

 はぁぁぁぁぁぁ……。

 キリがなさすぎだわ。

 彼もそう思っているはず。

 思わず、苦笑してしまった。

 彼も美貌に苦笑を浮かべている。

 あらためて彼を見てみた。

 アニバルには悪いけど、二人が同じ人間(ひと)という種の同じ性別で同じ国に生まれて育ち、すごしているとは到底思えない。

 彼は、それほど美しく感じがいい。

 不意に彼が指を一本、それを自分の口の前に立てた。

 静かに、という合図ね。