「これも小説のストーリーのまんまだな。出会いから再会、そして触れ合い。おたがいに秘密を持ったまま惹かれ合う。その謎めいたところがまたいいんだ」
「こういうのって、恋愛小説に多いんですよね?」
「カルラ、そうだな。一番多いのは恋愛物だ。だが、どんなジャンルだって有効だぞ。ミステリーだってそこから話を膨らませられるし、バイオレンスやハードボイルドだってそうだ。児童小説でだってあるぞ」

 アニバルとカルラは、アレックスとわたしをネタに盛り上がっている。

 だいたい、アニバルがきちんと説明するべきなのよ。

 しかも、彼とわたしの担当編集でしょう?

 二人とものことを、だれよりも知っているんじゃない。