「へー。ロボが他人に懐くなんて、初めてのことだよ」
「これは驚いた。おれだと、すぐにどこかに隠れてしまうのに」

 アレックスとアニバルが感心している。

「こんなところまで小説のまんまじゃないか。(あるじ)にしか懐かないなんらかの獣が、ヒロインとかヒーローには懐くってやつ。もしかして、おれたち全員夢でも見ているのかもな。小説風の夢を、な」

 アニバルは、そう言ってから豪快に笑った。

 たしかにそうね。あまりにも小説すぎる。

 ハッと気がついたら、長い長い夢を見ていた、とか?