浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

 彼は副編集長でありながら、わたしだけでなく数人の作家を担当している。

 出版社に泊まり込むことも多いらしく、恰好より睡眠や食事に時間や気を費やしたいらしい。

 他の編集者に会ったことがないので比較のしようもないけれど、若いくせにすべてを悟っているというか諦めているというか、全身からそんなオーラを発している。

 ブラウンの髪に同色の瞳で、大股で五歩ほど離れて見れば美形に見えなくもない。ただ、だらしない恰好だけが残念な気がする。